Dftf ver2.0

某家庭科教員の個人記録。

ニューロダイバーシティの教科書 村中直人著

 

 一言:脳や神経由来の違いを「文化圏が大きく異なる国同士の国際結婚」という喩えが秀逸ですごく腑に落ちた。こんなたとえができるようになりたい。

 

 本文に取り上げられるいくつかの「症候群」などの説明に対しては、思われがちである固定的な観念や、異なる解釈と世間でされてしまうことに対して、ていねいな説明で誤解を与えないようにしている。
「こういう風に思われがちではあるけれど、本質はこのようなものである」
と、前置きの部分と合わせた説明があることで、受け取る側(教科書なので、学ぶ側かな)も偏向的な解釈になりにくいと感じた(これも多様性的視点からの意図だろうか?)。

 

最後の、「半径10mの社会適応の提供」も、とても素敵な言葉。
「多様性を尊重しよう」が、どうしても一般的で壮大なものとして捉えがちになってしまうが、「近しい人に、できるところから、考えていく」という基本にたつことの大切さを再認識させられる。

 

 あと、手の倫理を読んだあとだったので、「個性を知り尊重すること」という観点にとてもリンクするものを感じた。
これぞまさに「合わせて読みたい」という感じ。