Dftf ver2.0

某家庭科教員の個人記録。

手の倫理 伊藤亜紗著

 

手の倫理 (講談社選書メチエ)

手の倫理 (講談社選書メチエ)

 

 一言:第1章で投げかけられた抽象的概念を、第2章以降の様々なエピソードが紐解いていくような本。だんだんと理解が進んでいく様が心地よい。

 視覚障害者のための音声、聴覚障害者のための文字情報などは、「配慮」とは呼ばれているけれど、無機質なままだと、ただの「措置」でしかなく、深くはいりこむという姿勢がないと、配慮とはいえないのかもしれない。
 ふれることが躊躇される昨今、仕方のない面もあるが、そうした「はいりこむ」感覚がないがしろにされてしまうのはよくないと感じた。