Dftf ver2.0

某家庭科教員の個人記録。

ファッションの哲学 作者:井上雅人

 

一言:この本は哲学・思想の棚にもぜひ!(書籍売上カードより)

一通り読んだだけで、すべてをかみ砕けていないが、「ファッション」の持つ意味を一面的にしかみていなかったのだということを改めて感じる内容だった。

 

家庭科・衣生活分野でも、コーディネイトなどは学習するが、今一度見返してみると、教科書は被服構造や機能性の内容にページを割いている。服飾史やファッション流行に関する知識は、おそらく目にする機会はあったのだろうけれど、自分には無関係という意識があったのか、不勉強なまま過ぎてしまったのではないか。なんとももったいない。

 

本書で出てくるエピソードは、ファッションの哲学を語る上の要素でもあるが、例えばジェンダーの観点や商業展開の観点、デザインと模倣の部分など、他分野とつながりが大いにあるエピソードが随所にあった。ミニスカートが単に性の解放ではない点などは、ジェンダーを語る上で持つべき知識である。

なにより社会に密接にかかわるわけだから、ファッションの概念を知っておくこと、その教養を持つことは、社会をとらえる行為をするならば、必要なことだと感じる。

 

ファッションの「門外漢」などいない

という言葉が突き刺さる内容だった。何度か読み返してかみ砕いていきたい。