被服素材に始まり、染料、デザイン、装飾品素材などが、着飾ることに重きをおいたことによって、いかに事故やケガのリスクをないがしろにしていたのかというのを、歴史的な事例を挙げながら解説している。化学との親和性が高い内容でもあり、読んでいて非常におもしろい内容であった。図版がたくさんあるのも楽しい。
今でも、「死」まではいかなくとも、ヒール靴の問題や、スーツが日本の気候に合わない問題(クールビズ対応など)、制服という規律と快適さの観点など、着ることによるファッションや儀礼と、快適さは、ズレがあるような部分は未だ残っている。
TPOに合わせて服を着よう、という話題の際に活用できそうな一冊。
以下の記事とかは、関連性があるなぁとしみじみ感じる。
仕事でもあんまりスーツを着なくなったし、制服の着こなし等で注意する機会も久しくなくなったけれど、場面によって服を正しく選ぶということは、なんだかんだで大事だと再確認した。