Dftf ver2.0

某家庭科教員の個人記録。

私は男でフェミニストです  チェ・スンボム著

 

一言:

「職場の半径200m内には、すぐにでも男性ホルモンで爆発しそうな完全なる「雄」800人が生息している。」

共感が深すぎる。

 

韓国の男子高等学校の国語科教諭によるエッセイ。韓国に未だ残る男女の格差はなかなか日本よりひどいなと思われる記述もあったが、その格差がおかしいということに気づき、その改善に向けて自身が行動を起こしている。
さらに、韓国では国としてもこの本を学校推薦図書にするなど、スピード感のある対応がなされている。このあたりは日本に足りない部分じゃないかとも思う。

 

本書で目を引いたのは、やはり大学の「反性暴力反性暴力自治規約」。これを学生の自治で定めたという点は、解説にある上野さんも言っていた通りですばらしい。
(ちなみに上野さんご本人が版権に許可を得て解説を公開している↓)

wan.or.jp

規約で特に感心したのは、具体的に「~しない」としているところ。
内容は「そんなの当たり前」と誰しもが思う内容であるが、それをモラルという空気感だけで運用しようと思うとなかなか難しい。上下関係のある集団や、閉じた空間では、その空気は淀んでいくだろうし、ホモソーシャルの空気に、モラルという意識だけでは対抗しきれない。明文化することは大切でと感じる。

 

自分も著者とかなり立場が似ている。次世代の若者たちが、既成世代の行動文法を受け継ぐ装置を、批判的にみつめることができるよう、伝え方を工夫していかなければと、姿勢を正された。