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某家庭科教員の個人記録。

「色のふしぎ」と不思議な社会 ―2020年代の「色覚」原論 川端裕人著

 

 一言:青黒、白金ドレスのお話も、しっかり解説されていた。ちなみに自分は白金派。

 

先天色覚特性を持つ当事者の視点から、見え方についての概要や、それを取り巻く社会の変化についてが書かれた本。

教育の場だと、色覚検査の導入・撤廃(そして再興?)の話と、それによって当事者がどのような想いになるのかという話が、大変興味深かった。「色覚以上だから、進路選択が狭まるという」通念が、教育に含められて行われていたことには驚きである。

検査そのものが、特性を持つ人への配慮であるはずなのに、当事者からすると「不思議な(そして暮らしづらさを伴う)社会」になってしまうのは本末転倒だと思う。
知識のアップデートの重要性を再認識させられる一冊。