Dftf ver2.0

某家庭科教員の個人記録。

土葬の村 高橋繁行著

 

 一言:土葬はもとより、死者の弔いそのものがあまり身近ではない(身近にしたくないという想いもある?)。それだけに各地域の葬送の慣習がとても新奇的に思えることが多かった。

 

土に還すための土葬や、収骨のために掘りかえしをすること、蒸し焼きにして骨を残す火葬法など様々な作法がみられるが、突き詰めてそれは死者への畏敬の想いがあるからだと感じられる。

印象的だったのは間引きの話のところ。「7歳までは神の子という考え方」であり、人として見られていないから墓は作らなくてよい(むしろつくると俗世に縛られる)という考え方。7歳までの子は脆いという感覚、七五三などの儀礼に関係する部分であり、非常に興味深かった。

全く未知の知識ではあっても、生活の慣習などにつながる部分は多く、「死」は「生」の表裏一体であることを再認識させられる一冊。