Dftf ver2.0

某家庭科教員の個人記録。

さよなら、男社会 尹雄大著

 

 一言:マチズモ(男性優位主義)という言葉は、恥ずかしながら最近知った言葉。
社会学では、カタカナ語がよく登場してくる。頑張って覚えていかなきゃと常々思う。

 

本書はタイトル通り、男性性からの解放という観点で書かれている。筆者の父の描写がすごく印象に残る。

「力を獲得せよ」と命じ続けたのは、彼の戦いがまだ終わっていないからであり~

歳を重ねること=頑なになる、というわけでもないだろうが、父親は自身の経験からマチズモに浸らなければ生きていけないという感覚を身につけた。
それに反した姿勢が、筆者の「自分は変化できる」という気づきにつながったのかなと感じる。

頑なな考えを崩さない男性に会うと、つい攻撃的な気持ちになる。(~中略~)けれども最近はその人の中にそういう考えを持つに至ってしまった体験を垣間見る。

おこがましいかもしれないけれど、時代の変化の狭間にいる我々。
差別的な事象に対しては糾弾はしていかなければならないけれど、そうした時代を生きてきた人達であるという認識をもつ態度は必要だと思う。

近年の就活で「グループの潤滑油です」というのがあったような気がするけど、
我々は「世代間の潤滑油」として、感覚を共有し、すり合わせ、先の時代に変化させていくべきなのかもしれない。