Dftf ver2.0

某家庭科教員の個人記録。

妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ 橋迫瑞穂著

 

一言:妊娠・出産は命にも関わる大きな出来事であるが、科学的なケアや、安産祈願のレベルをまるっと超えるてくる主張がたくさん出てきてびっくり。

ただ、妊娠・出産が(特に日本の?)フェミニズムからこぼされてしまった喪失感や社会で求められる姿と異なる選択をせざるをえないという葛藤が、スピリチュアルに至る要因となったのではないかという観点は、非常に納得。
なんらかの救済を求めて宗教的なものに傾倒することは、大小関わらずよくあることだろう。

この国は女性にとってもはや妊娠・出産を自明のものとしていない、あるいはしたくでもできない状況

「仕事か出産か」「キャリアか母親か」という選択を女性だけに一方的に迫る社会である。

という言葉がとても重たい。
ただただスピリチュアルなものを嘲笑するのではなく、そこに至る背景については、丁寧に知っておかなければならないと感じる。