学校での食品成分表の購入を検討しているため、いくつか書店を周り、また、有識者からのご意見も頂きながら、いくつか比較検討をしてみました。
※これはあくまで、自分の好み&勤務校の様子を踏まえての個人の見解です。
その点をご了解いただき、お読みください。
二分冊で、情報量が非常に豊富。アミノ酸成分表、脂肪酸成分表がついており、ザ・食品成分表といった感じ。特典の電子版及び、女子栄養大レシピなども魅力的。
しかし、中高生が使用するという観点で考えると、二分冊タイプを管理するのはやや面倒である。なにより、アミノ酸成分表を見ることはあっても、栄養計算等で活用することはほぼないかと感じる。成分表に写真などがなく、表一辺倒であるという点も、子ども向けというよりは、専門的に栄養計算を行う栄養士さん向けか。
情報量 :★★★★★
見やすさ:★★★
サイズ感:★★★
医歯薬出版ということで、これはおそらく、病院などでの栄養士さんを想定したのではないか。中身はパラパラめくった程度で申し訳ないが、表だけの構成である。学校で使うという観点はあまり感じない。
なんとなく、書籍そのものよりも電子版&栄養計算ソフトの部分を推しているような印象がある。実際計算をするとなると、今はデジタルの時代である。
情報量 :★★★★★
見やすさ:★★
サイズ感:★★★
個人的に、サイズが好きなB5判である。イラスト解説付きで、パラパラめくるだけでも楽しい食品解説がついたタイプ。実教出版ということもあり、学校での使用を想定しているのだろう。ビタミンEの項目が、αのみになっている(β,γ,δトコフェロールはカットされている)という点が残念ではあるのだが、一般的な中学高校で、β,γ,δがなくて困ることはまずないと思う。
情報量 :★★★★
見やすさ:★★★★
サイズ感:★★★★★
いくつか検討する中で、一番バランスがとれていたように思う。成分表はちゃんとすべて網羅されているし、食品の写真つき解説も豊富である。ワイド版という点は個人的には残念ではあるが、それを踏まえても、表の部分と食品解説の部分がバランスがとれていて、見やすい。栄養計算ソフトが付いたものと、つかないものの2種類が売られている点もよかった。生徒用購入でCDがつくというのは、なかなか不便なのである。
情報量 :★★★★
見やすさ:★★★★★
サイズ感:★★★
本屋さんで並んでいたので一応検討対象とした。成分値は、主要なものだけに絞られており、初心者向けの印象が否めない。棒グラフを用いているという点から、含有量をぱっと見でわかりやすい気もするが、そもそも、重量単位が各栄養素ごとに異なるので、どこまで見やすいといえるのかは疑問である。
よい点としては、食品名と一緒に食品の写真が掲載されていることから、食品の判断はしやすいだろうとは思う。成分表というよりは、食品事典+栄養成分も載っているよ、というところではないだろうか。
情報量 :★★
見やすさ:★★★★
サイズ感:★★★★
まとめ
学校据え置き用の成分表を検討するために比較を行った。実際には高校の授業で栄養価計算をさせる、もしくは資料として活用するというのが大きな目的ではあるが、勤務校が中高一貫であり、中学授業でのの使用想定もふまえると、食品の写真や解説が掲載されているものの方が活用の幅が広がると感じる。その点で、実教出版orとうほうのものがよいと感じた。
管理栄養士さんが選ぶのなら、きっと女子栄養大or医歯薬出版になるのだろう。本来の目的にパーフェクトに答えている成分表である。
このほか、大修館、東京書籍の成分表も販売されているということだったが、いくつか回った書店では見つけられなかったので、今回は掲載しなかった。