Dftf ver2.0

某家庭科教員の個人記録。

つながり続ける こども食堂  作者:湯浅 誠

一言:最前線から見えてくる、こども食堂の本当の姿。

 

子ども食堂」をキーワードにしたニュース記事や報道は多く目にしていて、そうした活動を地域の人たちで精力的に行われているという印象は抱く。しかし、本書で書かれている、制度からこぼれた人ではなくこぼれそうな人にとって意味をなす場である点や、子どもだけではなく大人にとっての場である点、希薄化したコミュニティを再興する地域活性化の意味合いの点など、貧困支援から派生した大切な観点は、字数の限られるニュース記事ではコンパクトにまとめられてしまう。そうしてまとめられた「子ども食堂とはどういったものか」という情報は、どうしても輪郭がぼやけてしまうのだということを改めて感じた。

本書では、ルポの形式で、実際の活動の様子、活動している人の声、利用者自身の生の声から、子ども食堂の意味するところ、活動者の意図などの全体像をしっかりと把握できた。
子ども食堂の全体像や輪郭がはっきりとしてくる、示唆に富む内容である。