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某家庭科教員の個人記録。

人生の答えは家庭科に聞け! 堀内かおる,南野忠晴,和田フミ江

 

人生の答えは家庭科に聞け! (岩波ジュニア新書)

人生の答えは家庭科に聞け! (岩波ジュニア新書)

 

 一言:「家庭」が包括するものがいかに多いかということを思い知らされる。ここに出た例をひとつも経験しない人生はまずありえないだろう。

 

 

 

 前に受けた、某学校の面接が思い起こされた。

Q「うちの学校の生徒は、いずれ社会の重要なポジションに着くことが想定されます。そうした生徒に対して家庭科という教科はなにができますか?先生はなにができますか?」

私「生徒が上に立つ人になるから、国政などを任される人間になるから、という意味で他の学校と差別化を図るつもりはありません。生活の中で、人生の中で経験を(もちろん一度も経験しない人もいるかもしれませんが)するかもしれないこと、想定されることを知ってもらうという機会提供をすることが役目だと思います。」

…かなり脚色しているけれど、そんな感じのことをやりとりした記憶がある。

 

本書は「人生の"答え"は家庭科に聞け」となっているが、当然生活の中で起こる事象に対して、"絶対的な正解"はない。答えを見つけ出すときに、解決のヒントや手助けになるエッセンス(本書堀内氏は「種」と表現している)が、家庭科にはつまっているということを改めて思い知らされた。

本書にある40ほどのトピック以外にも、家庭で想定される問題・事象はいくつもある。「家庭」とだけ聞くと軽視されがちだけれど、それでもいろいろ引っ張りだせば、いろんな疑問や発見が数々出てくる。教える側の人間も、絶対的な正解を求めてはいけない。多方面の視点からの意見を吸収し、伝えていけるようにならなければと思った。