父親になる、父親をする――家族心理学の視点から (岩波ブックレット)
- 作者: 柏木惠子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2011/06/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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一言:配偶者を「お母さん」「ママ」と呼ぶことの隠された意味性。
読書メモ
父も母も、子育てを通じて、子どもへの接し方を学ぶ
欧米は夫婦同室が基本 →家庭は夫婦のもの意識
日本は子が生まれると、別室or川の字 →家庭は子どものもの意識
アフリカのことわざ「子が一人育つためには、村中の人が必要」
多様な人間と関わることが大切
「子育ては母の手で」性別役割分業意識が根強く残る
父性・母性の違いうんぬんではなく、科学的に子どもと小さいときから関わることは必要。それができるようなアプローチが必要
→パタハラの解消や、労働時間の見直しなど
父性の獲得のために、子どもと関わることが重要だという点は、合点がいく。
で、育児の専門の人たちは、それを踏まえて、働き方を見直しましょうというのに、やれ世論は、育児に参加しましょうとしかいわない…というか、そうとしか伝わらない。
40代、50代に、今は男女の育児の重要性の理解者は増えてきているだろうけれど、やはりそれなりのポジションの人間は、家庭を顧みず仕事を一生懸命してきたわけだし、そうしたスタンスで子どもを育ててきて(今の育児の観点からは、"育てた"わけではなく、勝手に育ったというべきかな)、一人前にしてきた。
家庭を顧みずに働け!は、そう考えてしまうだけの要因があることは理解できる。納得はできないけれど。
価値観を覆すとなると、制度化したりする必要もあるのかな…。子育てを強制しているような言い方でなんだかなとは思うけれど。